さみしいことですが、人間は生まれたら必ず死というものを迎えてしまいます。もし、身内に万が一の事が起こってしまったら?お葬式をはじめ、お墓、保険そして、相続などの問題が持ちあがってきますよね。相続ってお金持ちしか関係ないのでは?とおっしゃる方は多いのですが、相続税などに関しても法律は新しく生まれ変わっていきますので注意したいものです。
昨今も話題にあがりましたが、平成25年度税制改正大綱で、相続税の改正が発表されたことはご存知でしょうか?平成27年1月1日以後の相続から適用になりますが、相続税の基礎控除が縮小されます。それにより、これまでは相続税がかからなかった方でも、平成27年1月1日以後の相続では、課税対象になってしまう方が続出するのではないかと言われています。大変な時代になりそうです。
また、相続税がかからないとしても、土地や家屋をはじめ、故人所有の動産、不動産ともに名義変更などをおこなわなければいけなくなります。その際、手続きなどはどうすればいいか、法律などは難しい言葉で記述されていますから、困ってしまうのも当然です。
相続相談をする場合、誰にしようと考えますか?
身近な家族や親せきは状況が分かって話はしやすいですが、お互いの利益を巡ってトラブルになったり、適正なアドバイスがもらえないことが少なくありません。
かといって、財産やお金を巡る話を友人などにするのはためらわれますし、そもそも相続に関する法律知識がなければ意味がありません。やはり、発生した相続に関して中立的な第三者であり、民法などの相続人関する法律知識に詳しい専門家がベストです。
専門家といっても様々な考えられます。
弁護士や司法書士など法律のエキスパートをはじめ、相続税や生前の節税対策の相談なら税理士が専門家です。また、ご遺族の今後のライフプランも含めてアドバイスしてくれる存在としては、ファイナンシャルプランナーもいます。もっとも、こうした専門職に就いていれば誰でもいいわけではありません。それぞれ得意分野というのを持っているのが通常です。相続相談を得意としている専門家を探しましょう。
相続人間で争いがなく遺産分割協議がまとまっている場合の相続手続きにおいて、頼りになるのが司法書士です。
亡くなった時に効力を持つ遺言書の作成をはじめ、相続人の調査や遺産分割協議書の作成などは身近なものとして皆さんもご存知のことでしょう。これらの作成は、司法書士、行政書士とも依頼することができます。しかし、司法書士にしかできないこともあります。それは、相続登記。不動産の所有権移転登記が必要な時の法務局での名義変更の手続き業務は、司法書士にしかできません。また、なかには相続放棄を選択する場合もありますよね。相続放棄の手続きは、家庭裁判所に対して行いますが、裁判所に提出する書類の作成ができるのは弁護士と司法書士のみになります。家庭裁判所に対する調停や審判の申立書の作成に関しても同じです。しかし、相続税の申告業務は税理士にしかできません。
2014年6月アーカイブ
相続が発生したときに被相続人が遺言を残していなければ、遺産を相続人がどのように引き継ぐのかということは、相続人全員による話し合いにより決定します。この協議を、遺産分割協議といいます。そして、遺産をどのように分割するのか、分割の方法には、(1)現物分割、(2)代償分割、(3)換価分割の3通りの方法があります。
現物分割というのは、もっとも一般的になされている遺産分割の方法です。妻が不動産、長男が預金の半分、長女も預金の半分などというように、遺産を現物そのままの状態で分けるという方法です。
しかし、いつでも現物分割ができるわけではありません。たとえば、一般的には、遺産の中でもっとも価値が高いのは、不動産であることが多いです。この不動産以外には価値の高い遺産がない場合、たとえば残された遺産が不動産と少額の預金のみであるような場合には、これを相続人間で平等に分けることは難しいでしょう。
このような場合に、相続人間のバランスを取り、平等な分割に近づけるための遺産分割方法が、代償分割という方法になります。この方法は、ある相続人が多くの財産を相続し、その代償を他の相続人に支払うという方法になります。具体的には、たとえば、父がなくなり、相続人が長男、二男、三男の3人の子供であるような場合に、長男が時価2000万円の不動産を相続し、二男と三男が預金を500万円ずつ相続して、最も価値の高い遺産を相続した長男が、二男と三男にそれぞれ500万円ずつの代償金を支払うというような方法になります。
代償分割のために他の相続人に支払う代償金には、贈与税がかかりません。通常、1年間に110万円を超えるお金を贈与した場合、贈与税がかかります。しかし、代償金は、贈与とは性質が異なりますから、贈与税を支払う必要はありません。ただし、代償金として支払うということを、遺産分割協議書に明記しておかなければ、税務署から贈与であるという認定を受けて贈与税を課税される可能性がありますので、注意が必要です。
換価分割というのは、上記の例で、3人共有とする相続登記を経た後に不動産を売却し、その売却代金を3分の1ずつに分けるという方法です。結果は代償分割と変わりませんが、譲渡所得税の課税に関して、違いがでてきます。詳しくは、相続問題に強い税理士さんに相談してみましょう。
代償分割のために他の相続人に支払う代償金には、贈与税がかかりません。通常、1年間に110万円を超えるお金を贈与した場合、贈与税がかかります。しかし、代償金は、贈与とは性質が異なりますから、贈与税を支払う必要はありません。ただし、代償金として支払うということを、遺産分割協議書に明記しておかなければ、税務署から贈与であるという認定を受けて贈与税を課税される可能性がありますので、注意が必要です。
換価分割というのは、上記の例で、3人共有とする相続登記を経た後に不動産を売却し、その売却代金を3分の1ずつに分けるという方法です。結果は代償分割と変わりませんが、譲渡所得税の課税に関して、違いがでてきます。詳しくは、相続問題に強い税理士さんに相談してみましょう。